2009年12月17日木曜日

ルーペ

やっと微調整から戻ってきました。
歯科衛生士は全体を見渡すために1.8〜2.5倍率を使うのが一般的だそうですが私は2.5倍がもの足りず5倍率を選びました。「5倍つかってるの??1歯ずつしかみえないでしょ?」という方もいらっしゃいますが、下顎前歯だと3〜3、臼歯でも2歯ずつは余裕で見えます。
見える範囲は少し狭いかもしれませんが、緊張感があるので逆にいろんな事に気を配れるようになったと思います。
ルーペと使うと今までよりもプラークの質や付き具合がよりわかるようになりました。
歯周ポケットが5㎜以上の縁下歯石の除去も難しいですが、縁上歯石よりもプラークを
除去する方が難しいと思います。
最初は少し酔う感じがありましたが、なれると大丈夫そうです。今後の課題はミラーテクニックです。

2009年12月16日水曜日

冬フェス

この間患者さんとどの季節が好きかという話題になりました。北海道的には初夏のあたりが過ごしやすい季節だと思いますが、わたしは春夏秋冬ぜんぶちょっとずつ好きです。
冬はマフラーしたり、手袋するのがなんか好きです。

冬のイベントという事で、WINTER FANTASIA 2009 DCTgerden “THE LIVE!!!”に行ってきました。ちょっと世代が違うんじゃない??と言われますが、小学生に時に石狩湾でワンダーランドを見て以来ドリカム大好きです。ここ10年は札幌でやるライブは皆勤賞です。

全部で5組のアーティストが出演するイベントですが、前に座っていた多分60代くらいのご夫婦がずっと座っていたのに、ドリカムの時はすごいのりのりで、ドリカムってすごいなーと思いました。
よしだみわさんのようにいくつになってもパワフルでいたいですね。


話は変わりますが、メインテナンスに入られた患者さんで、あの患者さん元気かなー?と考えていると数日後に予約の電話をもらう事がよくあります。
今日も1週間くらい前に夢に出てきた患者さんがお見えになっていただいてうれしかったです。

2009年12月9日水曜日

喫煙

タバコの煙により最初に暴露されるのは口腔でさまざまな影響を及ぼす。
歯周病の発症に関わる環境因子で罹患する率は非喫煙者に比べて約2〜8倍と言われている。

①喫煙者の口腔内所見
歯肉の黒色化(メラニン色素の増加)
歯肉の繊維化
歯面への着色
口臭の増加
味覚低下

・歯周組織の兆候
ニコチン、一酸化炭素の影響により酸素濃度や免疫力が低下しており、強い炎症は見られず、BPOも少なく、発赤が弱い。
プラークの付着については差は見られないが、歯槽骨の吸収度は喫煙者の方が重度で、pg菌などの割合が高く、増殖能も高い。
歯周治療に対する反応も非喫煙者に比べて喫煙者にほうが治療効果が劣る。

2009年12月7日月曜日

喫煙

日本の喫煙者数  約3000万人(男性46% 女性14%)
毎年11万4千人が喫煙によって死亡し、喫煙による医療費などの総損失額は約5兆6千億にのぼり、タバコによる税収を含めた総収益はその半分に過ぎない。

喫煙は癌、心疾患、脳血管疾患などの生活習慣病だけでなく、歯周病や慢性閉塞性肺疾患のどのさまざまな疾患のリスクファクターとなる。
タバコの煙には約40種類の発癌性物質と約200種類の有害物質が含まれており、その中でもニコチン、一酸化炭素、タールは3大有害物質と言われている。

①ニコチン
タバコ1本あたり0.1〜2.0mg含まれている。
神経系に作用する事で、循環器系に対しては末梢血管の収縮や心収縮力の増加などの急性作用を示し、血圧上昇を示す。免疫系に対しては、好中球の貪食能や走化能、マクロファージの高原提示能を抑制する。体内に吸収されたニコチンは、肝臓でコチニンに代謝される。
②一酸化炭素
一酸化炭素が存在すると、酸素はヘモグロビンと結合できなくなるため、結果的に全身的な酸素欠乏を引き起こす。
③タール
一般的にヤニと呼ばれるもの。タバコの煙からニコチンと水蒸気を除去した後に残る粒子相の総称である。発癌性物質や有害物質が多く含まれているので、口腔局所に対しては直接的な刺激または組織破壊に関係している。

ニコチン依存症(ND:Nicotine Dependence)

身体的依存(ニコチン依存)
ニコチンが大脳の快楽中枢に作用
・少量→興奮作用(目が覚める)
・大量→鎮静作用(気持ちが落ち着く)
ニコチンが消失すると
・喫煙欲求が止まらない
・集中力の低下
・イライラ、怒り
・体がだるい、眠い

心理的依存(習慣)
喫煙が生活の一部になっている
・目覚めの一服
・食後の一服
・暇をもてあます
・仕事の区切り
・口さみしさ
・間がもたない

2009年12月3日木曜日

メインテナンス

リコール間隔の決定

3ヶ月の理由
ランフォードによるといろんな動的治療を行った後のメインテナンスを3ヶ月で行ったところ動的治療の内容にかかわりなく安定した結果が維持できた。

短いリコール間隔はオーバートリートメント?
オーバートリートメントを避ける事がメインテナンスのポイント。唯一許されるオーバートリートメントがリコール間隔の決定。しかし、プログラムに関してはオーバートリートメントに気をつける。

リコール間隔の増減
メインテナンス途中に不安定な状態になった時BOP率を基準にするとよい。出血するよりもプロービング値が上昇するよりも早く出現する可能性が高い。


参考文献)メンテ・ザ・ペリオ  山本浩正 著

2009年12月2日水曜日

パワースケーラー

パワースケーラー

1、超音波スケーラー

振動数→18000〜50000回/秒
①ピエゾタイプ
チップの動き→直線運動「叩くような」振動

②マグネットタイプ
チップの動き→八の字

2、エアースケーラー
振動数→2000〜6000回/秒
チップの動き→円

注水の目的は冷却


チップの消耗
1㎜で25%
2ミリで50%効率が下がる

2009年12月1日火曜日

MTA

MTA(Mineral Trioxide Aggregate)

生体親和性を有する水硬性の無機セメント
主成分は工業用セメントと同じでポートランドセメントで、粉末と滅菌精製水からなる。粉末成分は酸化カルシウム、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化第二鉄、石膏、造影剤として酸化ビスマスが含まれる。特徴は高いPH(約12ほとんどの細菌はPH9.5で破壊されるといわれている)、硬組織形成能、効果膨張による辺縁封鎖性があげられる。それに反して操作性混水比による物性の変化、着色などの問題がある。

直接覆髄法・根切後の逆根管充填・穿孔封鎖・断髄・パーフォレーションなどに用いられる。日本では覆髄法のみ認可がおりている。

2009年11月30日月曜日

ドライマウス

ドライマウスの日本における罹患者は800万人と推定されています。
唾液の作用
1、消化作用:アミラーゼという酵素がでんぷんを分解する
2、粘膜保護作用
3、円滑作用:食品を噛んで飲み込む、発音するなどの機能をスムーズに行うために働く 4、溶媒作用:味は食品の味質が唾液に溶けてはじめて味覚としてとらえられる
5、洗浄作用:口腔内や歯面を洗い流して、食物残渣(食べカス)が残るのを防ぐ
6、抗菌および殺菌作用:細菌が繁殖するのを防ぐ
7、緩衝作用:お口の中に酸が入ると、それを中和するように働く
8、抗脱灰作用:歯の脱灰作用を防ぐと共に、再石灰化に関与してむし歯を防止する
9、排泄作用:体内に投与された薬物や化学物質が唾液中に排泄される

乾燥しているほうが細菌が繁殖しないのでは??と思いますが、唾液には洗浄作用という口腔内を水洗トイレのように洗い流す作用があり、虫歯や歯周病を予防する役割もあります。

ドライマウスの症状と対策について簡単にまとめます。

〜症状〜
口が渇く、唾液がネバネバする、口が渇いて長時間の会話がしにくい、乾いたものが食べにくい、口臭がある。悪化すると舌が痛い、舌がざらざらする、入れ歯が合わない、食べ物が飲み込みにくい、喉のひっつき感など

〜原因と対策〜
大きく3つに分ける事が出来ます。
1、唾液分泌が少なくなる
・シェーグレン症候群や放射線治療による唾液腺の破壊
・ストレスなどによる自律神経への影響
・薬の副作用による自律神経から唾液腺の情報伝達障害
症状が出やすい薬・催眠鎮痛剤
・抗パーキンソン剤
・抗てんかん剤
・抗ヒスタミン剤
・筋弛緩剤
・消炎鎮痛剤
・抗潰瘍剤
・利尿剤
・去痰剤

*薬を変えることはなかなかむずかしいので、薬の副作用や根本的に唾液が少ない場合は症状を減らす対症療法がで対応する。保湿剤の使用など。

2、唾液分泌は正常で喉が渇く
・脱水
・糖尿病



3、唾液分泌は正常で蒸発が多い
・口呼吸

*鼻の疾患が原因の場合は耳鼻科での治療が必要

唾液分泌を促す方法
・ガムを10分以上噛む
・唾液腺のマッサージ
・音波ブラシを使用する
・水分補給をまめにする(カフェインが入っているものは交感神経を活発にさせ、唾液の分泌が抑制されてしまうので、水や、麦茶などノンカフェインのものを!)
・咀嚼回数を増やす(固いものを食べる事が重要ではなく、よく噛む事が大切です。)




2009年11月26日木曜日

メインテナンス

妥協的メインテナンス

もっともリスクの高いメインテナンス動的治療が思うように出来なかったり、患者さんの意識改革が進んでいない場合もある。

ケア型メインテナンスであるため、セルフケア、プロケアのどちらが欠けてもすぐに進行してしまうという事を共通認識しておかなければならない。どの部分がリスクがたかく、進行すればどのような症状がでるのか説明をしっかりと行う。妥協的メインテナンスではプロケアがなければ、早々に進行してしまう可能性が高いので、最大限の努力をして取り組まなければならない。


参考文献)メンテ・ザ・ペリオ  山本浩正 著

2009年11月25日水曜日

4歳の男の子の患者さんが書いてくれた私の絵です。
お母さんについて来院して、始めは人見知りをしていましたが、VISUALMAXでのお絵描きをきっかけに仲良くなり、治療はキッズルームで歯ブラシする事からはじめて、約5ヶ月今日虫歯を治療する事ができました。

今では歯医者に来るのを楽しみにしてくれています。
子供の成長の可能性ってすごいな〜と改めて感心しました。

歯の病気(虫歯や歯周病)は予防法が確率されています。院長がよく言いますが定期的に歯医者さんへ行く習慣は子供にとって財産になります。

歯医者嫌いの患者さんの話を聞くとだいたいは「子供のころに嫌な思いをして…」とおっしゃるかたが多いようです。その事で歯医者から遠のいてしまう事はものすごく患者さんにとってマイナスです。

歯医者さんは予防しに行くところ!!が当たり前になるようにたくさんすべき事はありますね。

2009年11月24日火曜日

2連休


昨日までの2連休は土屋和子先生のセミナーを受講し、ものすごーく充実した2日間を過ごしました。
1日目は北海道ハイジニストサークル主催で、テーマはデブライド、PMTC、コミュニケーション
2日目はナカニシ主催で、テーマはOT&MIに基づくメカニカル・デブライドメント

2日間を通して内容が重なっているところがあったのですが、それが逆に復習になってより理解を深める事ができました。土屋先生のセミナーを受講したのは今回が2回目です。基礎についてものすごくわかりやすく、根拠があり後からよくわかんなかったなーと思う事がほとんどありませんでした。学生時代に勉強したはずなのに、セメント質が歯牙の中で一番やわらかく、髪の毛の細さしかないことはすっかり忘れていました…
土屋先生は全部がかっこよくて、憧れずにはいられません。

セミナーに参加するといつも自分には足りないものだらけだな…っていつも一瞬落ち込みます。でもそんな事は言ってられないので、前進するのみです。
今は歯科衛生士が医院に私一人なので、先輩に相談したいな〜と思う事も多々あります。そんな時はハイジニストサークルの皆さんにお世話になっています。
近々HPが出来る予定なのでお楽しみに♪
セミナー写真を撮るのをすっかり忘れていました。写真の下に写っているノートはセミナーでいただいたドリームノートで、自分の夢をいっぱい書いて、夢を叶えるノートです。書き出すと10年後にはこうなってたいから、今はこうしなきゃと考える事が出来ます。
10年後の夢はまだ秘密です。
1年前の2連休と比べると、ずいぶん遠くに来れたなーと思い、少しずつ近づいているかな??と実感しています。

あんまりまとまっていませんが、セミナーのメモです。

2009、11、22、23 講師 土屋和子先生        

『歯周、補綴のメインテナンス』 佐藤直志 著

分厚い本を読むポイント☆

目次をみて興味のあるところを読む。

あとは、ぱらぱらめくる

歯周治療の効果をより長期的に予知性の高いものにするために、これまでの臨床研究に裏付けされて、長年にわたって治療効果の有効性が証明されている方法を用いる必要がある。

=スケーリング!!

OT(Optimum Treatment)

最適、最前の治療

最新の治療ではなく、その人にとって最もふさわしい治療

MI(Minimum Intervention)

最小限の侵襲により最大の効果

 

〜これからの歯科衛生士〜

クリニカルハイジニスト=臨床に徹する

応用力を身につける。学んだ事をどう生かすか?

必要な知識

コミュニケーション能力

・言わなくてもわかっている、治療跡からの予測、オルソを読む

P処になってからではなく初対面からこの人の話を聞いてみたなと思              わせる準備を!

他の人が言わない事を言う!

歯科専門的知識&技術

健康な状態の映像をいつもイメージする!

見えない部分を意識する

全身的知識(からだ、こころ、病気=背景)

 

 

 

 

 

デブライドメント(デブリードマン・仏語)

   イリゲーション、ルートプレーニング、ディプラーキング

・壊死した組織を除去する事によって創傷治癒を高める。

・歯根膜表面の性状や付着物質を十分に理解し、組織の損傷を最小限にとどめ強力で過剰なストロークを繰り返すのではなく、歯根表面のプラークを量的、質的に減少させる事。

縁下を触る場合麻酔をするかしないか?

麻酔をすると歯肉が一時的に貧血状態=歯肉の治りが悪くなる。出来るだけしない方が良い。

ポイント☆

処置を行う前に、何分やりますと予告しておく。

ルートプレーニングの定義

根面を平滑化にすること  ×

根面をスムーズにする   ○

汚染されたセメント質だけを除去する。

歯根膜(=結合組織)の役割

クッション

歯の保持

セメント質のセメント芽細胞が結合組織を作り出す。

セメント質は歯牙のなかで最もやわらかい。髪の毛1本分くらいの厚さしかない。ハンドスケーラーでむりに行うと簡単に壊れてしまう。80%はパワースケーラーで!薬液を使うよりもキャビテーション効果がバイオフィルムに効果的

象牙質が露出すると象牙細管が露出→細菌入りカリエスになる

『超音波スケーラー』

〜バリオス750〜

・ピエゾタイプ(直線、前後運動)

・パワーコントロールが細かい

・歯牙が当たった時の響きが繊細

ポイント☆

・チップの選択

G1→縁上歯石、ステイン(断面四角)

G6→縁下歯石(四角)

P2DP3D→縁下歯石(丸、ダイアモンド加工は除去率高い)

P40→ポケット内洗浄

V10→インプラント、補綴

断面四角→除去効果高い

断面丸→歯面の安全性高い

・チップの歯面への当て方

 部分→先端が最も強い

 角度→15度以下

・歯面への接触→フェザータッチ

・歯面へのアクセス→ストローク(Sweeping stroke,Pull stroke

 

『ソニックブラシ』

口腔内環境良い人はソニックブラシのみで十分。→MI

 

PMTC

セルフケアで届かないところをクリーニングする事が目的

ヘッドが小さいものが良い。

タスカルウィズ(コードレスモーター)

☆ポイント☆

・歯面の観察、判断

・器材の選択(ラバーカップ、コーン、エバ)

・回転数(基本1500回転)

・圧の加え方(回転して当て続けない)

 

『プロービング』

付着をはがし、縁上プラークを押し込んでしまう。

必要最低限で!3ミリ以下は計らなくてよい。


2009年11月16日月曜日

メインテナンス

試行的メインテナンスのセルフケアのチェックポイント

セルフケア不十分だと…

歯周病菌に直接的には細菌の配給、間接的には炎症→嫌気的な環境、歯肉溝滲出液に歯周病菌の餌が増えるなどの影響を与える。

深いポケットの部分は一生懸命磨いても無駄と考えずに、積極的にセルフケアを行ってもらう。ハイレベルなセルフケアがプロケアとしての細菌バイオフィルムの破壊を長持ちさせる。


参考文献) メンテ・ザ・ペリオ 山本浩正著

2009年11月13日金曜日

メインテナンス

メインテナンス中の悪化
歯周病菌が口腔内をうろついているので悪化のリスクは高くなる。
ハイリスク部位だけではなく、ローリスク部位にも新たな問題が出てくる場合もあるので、全額の診査をすべき。

プロケアのポイント
良いところ悪いところが混在する口腔内なので、薬液を併用しながら超音波スケーリングを行うのが効率がよい。炎症の強いDeepポケットはタンパク質濃度が高くなっているのでポピドンヨードが望ましい。
咬合は歯周病進行の助長因子となるので、動揺が増加していないか咬合時の違和感や顎がだるいなどの症状がでていない事を確認する必要とブラキシズムがでていないかつねにアンテナをはっておく!

参考文献)メンテ・ザ・ペリオ 山本浩正 著

2009年11月12日木曜日

最近読んだ本

右から
「メンタル・コーチング」白井一幸 著
北海道日本ハムファイターズのヘッドコーチの方が書いた本です。
本番だけでなく、準備の段階から何事も全力で頑張る事が大切です。怒って責める事は簡単です。話を聞き、認め、生かすアドバイスをする事が指導者の基本です。
この本を読んだ後にあった、日本シリーズを普段はルールがわからず見ませんが、今年は真剣に応援しました。

「新『根性』論」 辻秀一 著
うじうじしてないでこの本読んだ方がいいよと院長に渡された本です。
揺らがず、とらわれずのフローな状態を自分の意志で作り出すのが『新根性』です。

「勝間和代のインディペンデントな生き方 実践ガイド」 勝間和代著
今一番おすすめしたい本です。最近の中では最短の2日で読みました。インディ(精神的にも、経済的にも周り依存しない、自立した生き方)になるために今から実践しよう!!と思いました。思わず手帳に書き留めちゃう事がたくさん書いてあります。
一生読み返すと思います。


先の二冊はスポーツの話題も多く、運動が苦手で文系な私には少しわかりにくいところもありましたが、3冊共通して言える事は、目の前にある事をただがむしゃらに頑張るだけではなく、ずるをするわけではないけど、いい意味でうまく楽に頑張る事が大切なんだなと思いました。
仕事、プライベートに関わらず辛い、苦しいと思って頑張るよりも楽しく頑張って目標を達成し、毎日笑って過ごしたいですね。





2009年11月11日水曜日

メインテナンス

試行的メインテナンス患者さんの口腔内

動的治療はアンダートリートメントしか受けていない。SRPで細菌叢の改善は起こっているが、歯周病菌の残存が多いため、ハイリスク部位などに潜み、次のチャンスを狙っている。

最大限の努力をして悪化を防がなければならない。動的治療は次善の策で終わっているのでもし万が一悪化すれば、タイミングをみて次の策に移る可能性がある事を伝えておく。

試行的メインテナンスの患者さんの口腔内は千差万別で、何らかのリスクの残存がある。メインテナンスにおける最大のリスクは来院の中断。それを食い止めながら問題が起こった時にスムーズに再治療に移れる関係を築いておく事が大切。


参考文献)メンテ・ザ・ペリオ 山本浩正 著

2009年11月10日火曜日

メインテナンス

試行的メインテナンス

試行的とは??

動的治療で思ったようなレベルまで、環境改善できなかった場合のメインテナンス。

例えば外科治療を受け入れてもらえない場合、無理矢理外科治療をするわけにはいかない。外科治療を行えば、メインテナンスフリーというわけではない。外科治療をするしないにかかわらず、メインテナンスが重要。外科治療を行わずに、メインテナンスを行うという選択肢も必要。

試行的メインテナンスの患者さんは口腔内環境に不安が残っている。妥協的メインテナンスはあきらめムードが漂っているが、試行的メインテナンスは治療後メインテナンスと妥協メインテナンスの間を埋めるものと考える。


参考文献)メンテ・ザ・ペリオ 山本浩正 著

2009年11月9日月曜日

メインテナンス

結合組織移植後メインテナンスのセルフケアのチェックポイント

非炎症性歯肉退縮

オーバーブラッシングをチェック

ブラッシング圧のコントロールはもちろん使う道具を自分の判断で変えてしまう事も要注意!固い歯ブラシや乳歯列用ブラシ、電動歯ブラシは注意が必要。

炎症性歯肉退縮

アンダーブラッシングをチェック

指導がオーバーブラッシングに偏ると歯肉退縮の再発につながるので注意が必要

乳歯用ブラシは小回りはきくが、毛が短い分硬くなる。

参考文献) メンテ・ザ・ペリオ 山本浩正 著

2009年11月6日金曜日

メインテナンス

結合組織移植術後のメインテナンスの悪化

一番心配なのは、被覆出来た根面がまた露出してくる事。歯肉退縮の再発は患者さんにも一目瞭然。非炎症性歯肉退縮を起こすような症例は裂開状骨欠損になっている場合がほとんど。骨の裏打ちがない状態。歯列からはみ出している歯根はブラッシング圧の影響を受けやすい。
歯根が歯列からはみ出している事は結合組織移植術では改善できない。歯肉の厚みを増しリスクを下げる事はできる。
ブラッシング圧のコントロールが出来る事が、根面被覆術の適応症ともいえる。
歯肉退縮量や口腔内写真の比較が必要!

参考文献)メンテ・ザ・ペリオ 山本浩正著

2009年11月5日木曜日

メインテナンス

治療後メインテナンス

〜歯周形成外科療法後メインテナンス〜

 歯周形成外科療法とは??

審美的な補綴処置が出来ない時に登場する。形態不良に対する外科的治療と考えても良い。

形態不良によりプラークコントロールに問題が出るような場合に使われる外科療法は、切除療法に含まれる場合もある。

 

形態不良のなかで最も患者さんが気にされるもの

歯肉退縮(gingival recession

炎症性歯肉退縮(inflammatory gingival recession

歯周病の進行に伴って起こる

ミラーの分類クラス3、4

非炎症性歯肉退縮(non –imflammatory recession

骨の裂開にオーバーブラッシングが重なっておこる

ミラーの分類クラス1、2

 

歯周形成外科での対応は非炎症性歯肉退縮。

炎症性歯肉退縮の場合は通常歯周病の治療を優先させる。歯周形成外科を行ってもうまくいかない。

歯周形成外科の代表格「根面被覆術」

歯肉退縮を起こして露出した根面に歯肉を取り戻す。

術式として多様されているのが「結合組織移植術」(connective tissue graft,CTG

フラップの下に口蓋から採取した結合組織移植片を入れる事で、移植片を骨膜とフラップでサンドイッチする方法。サンドイッチする事で移植片が壊死しにくく、高い成功率につながっている。根面被覆だけでなく、歯肉の厚みを増やしたり、抜歯後に凹んだ歯槽堤を膨らませる事にも利用される。



参考文献)メンテ・ザ・ペリオ 山本浩正 著 

2009年11月4日水曜日

メインテナンス

再生療法後セルフケアのポイント

 

ディープサルカス

元々プラークコントロールが悪かったため、あるいは部位の特異的な感染と咬合の問題があったため、深い骨欠損が出来ているはずなので、アンダーブラッシングによる付着の喪失に注意。

骨頂から歯肉頂までの距離が長いので、オーバーブラッシングによる歯肉退縮にも注意。

 

シャローサルカス

アンダーブラッシングによる根面カリエスや歯肉炎に要注意。

オーバーブラッシングによる知覚過敏にも注意が必要。  



参考文献) メンテ・ザ・ペリオ 山本浩正 著

2009年11月2日月曜日

メインテナンス

再生療法後メインテナンス中の悪化

患者さんのプラークコントロールが悪化し、咬合の問題も解決されていないともとに戻っていく事は容易。
炎症が再発した場合の組織反応
①再生療法のみを行った場合
組織付着療法後メインテナンスに準ずる
再生はしているがディープサルカスで治っている事が多々ある。
②再生療法後に切除療法を行った場合
切除療法後メインテナンスに準ずる
シャローサルカスで治癒している。

再生療法後の悪化はディープサルカスで治っているような場合は付着の位置を、シャローサルカスで治っている場合は歯肉の位置に注意すべき。


参考文献)メンテ・ザ・ペリオ  山本浩正 著

2009年10月30日金曜日

メインテナンス

再生療法後の治癒形態
付着器官が再生するが出来上がるセメント質には違いがある。
①GTR法
有細胞セメント質が再生する。
②EGR法
無細胞セメント質が再生する。
歯周病で失うセメント質は主に歯頸部のセメント質(ほとんどが無細胞セメント質)なので、真の再生といえる。

*すべて無細胞セメント質ができるとはいえない。場合によっては有細胞セメント質で治ったり、長い接合上皮で治ったり、またはアンキローシス(骨と歯根がくっつく様な治り方)がある。


再生療法後メインテナンスの歯肉溝にはディープサルカスとシャローサルカスの両方がある。再生療法後の理想的な治癒形態は付着器官が元に戻って、シャローサルカスができていること。しかし、再生はある程度したもののディープサルカスで治癒する事がよくある。この場合さらに切除療法を追加する必要がある。原因としては再生量が少なく、骨形態の問題が残っている場合、上皮の埋入を許した場合、早期にEDMが消失した場合が考えられる。


参考文献)メンテ・ザ・ペリオ  山本浩正 著

2009年10月29日木曜日

シャープニング

スケーラーは主に歯石を取るための道具です。
歯科衛生士にとっては美容師さんのはさみ、料理人さんの包丁の様な存在です。
スケーラーは刃物なので、研がなくてはいけません。
研いでないスケーラーで歯石の除去を行うと術者にも患者さんにもマイナスです。

今日は診療終了後にヒューフレディさんにきていただきシャープニングのレクチャーをしていただきました。
とてもわかりやすく教えていただきました。コツをつかんだ気がします。

お口の健康を保つためにはメインテナンスが必須です。器具も正しく長く使うためにはメインテナンスが大事ですね。


2009年10月28日水曜日

メインテナンス

再生療法後メインテナンス

再生療法(regenerative therapy)とは??
失った器官(セメント質、歯根膜、歯槽骨)を再生させようとする治療法。
間葉系組織の再生は再生療法、上皮系組織の再生は歯周形成外科。
なぜ区別するのか??
再生療法では上皮は邪魔な存在。ポケットが深くなるときにはまず骨や結合組織が破壊され、そこに陥没するような形で上皮が落ち込んでくる。フラップ後も上皮細胞はいち早くバイオフィルムと体の中にバリケードをはるために1日0.5㎜という猛スピードで遊走する。歯周組織の中でもっとも足が速いので感染を最小限にする事が出来るが、裏目に出る事もある。
付着器官を再生させるのに必要な細胞は主に歯根膜から供給される。歯根膜細胞が欠損部に到達する前に上皮細胞が到達してしまうために、再生のための場に先にバリケードが作られてしまう。そのためフラップオペでは付着の再生が限られてしまう。

再生療法の種類
①GTR法(guided tissue regeneration、組織再生誘導法)
バリケードを防ぐためのバリケード。
物質は通すが細胞は通さないような膜を骨とフラップの間に挟み込み、フラップ断端から走ってきた上皮細胞が根面に来ないように膜でブロックしてしまう。
その間に膜の下では歯根膜細胞がゆっくりと集まってきて、付着器官を再生させる。

②EGR法(enamel matrix derivative エナメル基質誘導体 guided regeneration)
付着器官の発生を再生に応用する方法。
商品名「エムドゲイン」
セメント質の発生の時に必要な物質が含まれており、歯周病で失った無細胞性外部繊維性セメント質を誘導しようとするもの。上皮細胞をうまく押さえつける作用ある。


参考文献) メンテ・ザ・ペリオ 山本浩正著

2009年10月26日月曜日

歯周組織の7つの問題点

1、深い歯周ポケット
歯周ポケットとは、細菌感染によって付着が喪失した結果、根面に沿って上皮が深部へ増殖する事によって形成された病的歯肉溝を意味し、深い歯周ポケットとはこれが重度に進行した状態で、プロービング値が4㎜以上で、出血または排膿するものをさす。この深い歯周ポケット内には嫌気性菌が多く存在して組織の破壊が起こりやすい状態となっている。

細菌叢の違い
・健康な歯肉溝
付着性プラーク(グラム陽性菌)
・歯周ポケット
付着性プラーク
浮遊性プラーク(スピロヘータ、運動性、グラム陰性嫌気性菌)
☆組織の破壊がおきやすい


各器具のポケット内への到達度
①歯ブラシ     0.5〜1.0
②歯間ブラシ    2.5
③Mouthrinse  0.2±0.3
③Watherpik  1.4〜1.9  歯周ポケットの約半分の深さ 
④Subgingival irrigation   付着プラークの最根尖側まで
⑤超音波スケーラー     効果的

通常の清掃方法ではポケット内のプラークコントロールはむずかしい。

深いポケットでも定期的な清掃だけで対応可能な場合もあれば、セルフケア任せにして悪化させる場合もある。

〜歯周ポケットに対する3つの処置法〜
①Pocket maintenance
ポケット維持療法     非外科療法(SC/RP、薬物療法など)
②Pocket reduction
ポケット減少療法     Modified Widman flap
                                                        Open flap curettage
③Pocket elimination
ポケット除去療法                    Gingivectomy(歯肉切除)
             Apically positioned flap

参考文献) コンセプトをもった予知性の高い歯周外科処置
  

メインテナンス

組織付着療法後メインテナンス
セルフケアチェックのポイント
アンダーブラッシング
歯肉に炎症が生じる事により上皮性付着の部分で上皮の剥離が心配。歯肉の腫脹も起こりえるが組織例付着がうまくいく症例は厚みのある繊維性の歯肉が多いので、頻度としては少ない。
歯肉退縮はほとんど起こらないので、切除療法後よりも根面カリエスのリスクは低い。

オーバーブラッシング
歯肉退縮のリスクは切除療法後メインテナンスよりも高くなっている。切除療法後は歯肉がそれ以上下がれないところまで歯肉を退縮しているが、組織付着療法では歯肉溝底の底上げが起こっているので、術後は歯肉退縮のリスクは少ないが、予後は歯肉の位置は不安定。つまりメインテナンス中に歯肉退縮をおこす。


参考文献)メンテ・ザ・ペリオ  山本浩正著

2009年10月23日金曜日

メインテナンス

組織付着療法後のメインテナンス中の悪化

①上皮性付着の剥離
再度デブライドメントを行い、患者さんのセルフケアを行う事で再付着する可能性がある。
メインテナンスの間隔を一時的に短くして回復を観察する手法もある。

②結合性付着の喪失
骨吸収をともなう。繊維性の歯肉に囲まれた深いポケットに対して根面デブライドメントだけで対処した場合、細菌や歯石の取り残しが原因で急に悪化することがある。深い部分で取り残しがあり、それよりも歯冠側で上皮性付着が起こると、術直後は付着レベルの改善が認められるが、取り残しがその患者さんの許容量を越えていれば、後になって爆発する。
一般にプラークコントロールの良い患者さんであればポケットの再発、プラークコントロールの良好な患者さんであれば歯肉膿瘍の形成が起こりやすい。
疑われるような悪化があれば、浸潤麻酔下で再度根面デブライドメントをしっかり行うかフラップを開ける事が望ましい。

☆どちらの喪失パターンが起こっているのかを正しく判断することが大切。
・エラーの少ないプロービングデータを記録する。
・データの正しい解釈する事が必要。そのためには付着の位置がどのように変化しているのかを確かめる。付着レベルの数値が上がっていれば付着の喪失があったと判断する。そのとき初診時の付着のレベルの範囲で数値が大きくなっていいないようだと上皮性の付着の喪失を疑う。大きなっていると結合性組織性付着が喪失していると判断する。さらに出血傾向、歯の動揺、エックス線写真上の骨吸収や歯槽硬線の消失などが確認できれば最治療の対象となる。


参考文献)メンテ・ザ・ペリオ 山本浩正 著

2009年10月22日木曜日

メインテナンス

組織付着療法後メインテナンスの特徴

組織付着療法では術直後に歯肉退縮が起こりくい。歯肉を支えている付着の多くが長い接合上皮という事は、術直後は歯肉の位置も下がらず、付着に位置はかわらずポケットが浅くなるという事。
しかし、メインテナンス視点から見ると長い上皮付着が剥離するような事があれば、歯肉の位置も付着の位置も変わるので安定さに欠ける。
シャローサルカスと違い、ディープサルカスはポケットとの判別も難しい。

参考文献)メンテ・ザ・ペリオ  山本 浩正 著

2009年10月21日水曜日

糖尿病

糖尿病(Diabetes Mellitus)
食品に含まれる糖質は、消化・分解されてブドウ糖となり、体や脳が活動するためのエネルギー源として使われる。ブドウ糖は腸で吸収されて肝臓へと運ばれ、血液に含まれて体のすみずみに届けられる。この血液中のブドウ糖が増えすぎて、尿に糖が出る病気が糖尿病。

糖尿病の90%が2型糖尿病である。
原因
ブドウ糖に分解された糖質は、血流によって全身に運ばれるが、ブドウ糖が体内で利用されたり、貯蔵されたりするのは、インスリンというホルモンが働くため。インスリンとはすい臓から分泌されるホルモンで、インスリンの働きによって血糖値は正常に保たれている。このインスリンが量的に不足したり、働きが悪くなると、血糖値を正常に保てなくなり、糖尿病を引き起こす。
遺伝、食生活の乱れ、運動不足、肥満、ストレスの蓄積などが長く続いた結果、膵臓の機能を低下させ、糖尿病を引き起こすこととなる。

合併症

①糖尿病網膜症

②糖尿病腎症

③糖尿病神経障害

④動脈硬化

⑤糖尿病足病変(壊疽)

⑥歯周病

歯周病がほかの合併症とは異なる点は「糖尿病と歯周病は相互関係にあること」。ほかの合併症は、糖尿病があることで合併するが、歯周病は「糖尿病患者は非糖尿病者の2~3倍歯周病を罹患している」「歯周病があると糖尿病のコントロールが困難になる」という特徴があるため。


2007年の国民生活基礎調査から糖尿病が「強く疑われる人」は約890万人(2002年調査は約740万人)、「予備群」は約1320万人(同約880万人)になった。


2009年10月20日火曜日

メインテナンス

治療後メインテナンス
〜組織付着療法後メインテナンス〜

組織付着療法とは?
出来るだけ組織を温存して、ポケット内に露出していた根面には長い上皮性付着を作ってプロービング値を減少させるもの。

〜治癒形態〜
典型的な術式は「改良型ウイッドマンフラップ」
出来るだけ歯肉を残してフラップを開け、根面デブライドメント後、根面の上に重ねるようにフラップを戻す術式。
フラップを元に戻す事により、フラップ断面の上皮細胞は根面とフラップの間に侵入していき、結合組織性付着の最歯冠でストップする。その過程で上皮と根面の間に上皮性付着が獲得される。


深いポケットが長い上皮性付着に変換される治療法。

参考文献)メンテ・ザ・ペリオ  山本浩正 著

2009年10月19日月曜日

ポーセレン


ポーセレンを盛る②
完成しました。今回だけ写真がかっこいいのは院長が撮ってくれたからです。

普段SRPをする際に根の形態は想像しながら行いますが、歯の解剖学をものすごい忘れている事に気づきました…

象牙質の状態から完成まで3時間あっという間に過ぎていました。
技工士さんの仕事を知れて楽しかったです♪

一緒に参加した友達と隣同士で作っていたのですが、打ち合わせしたわけでもないのに、私は左上1番、友達は右上1番形もそっくりなのを作っていたのがミラクルでした。

2009年10月16日金曜日

メインテナンス

切除療法後のメインテナンス
〜セルフケアのチェックポイント〜
ポケットの深さを歯肉退縮に変換しているので、根面がかなり露出している。
さらに切除療法による歯肉退縮は短時間のなかに起こるので、根面の石灰化は少なく耐酸性能は低くなっている。
メインテナンス中にアンダーブラッシングがつづくと一気に根面カリエスになる可能性がある。また、食生活や唾液の量も影響してくるので要注意。
とくに歯肉縁下カリエスに対する歯冠長延長術として切除療法を行った場合は元々のカリエスリスクが高い患者さんなので注意が必要。
切除療法後メインテナンス患者さんは根面カリエス予備軍と考える。

オーバーブラッシングによる弊害は?
露出した根面は削れやすいため知覚過敏を誘発したり、楔状欠損を起こしたりする可能性がある。一般には歯肉退縮が心配になるが十分に歯肉退縮が起こっているので、下がりにくくなっている。



参考文献)メンテ・ザ・ペリオ  山本浩正 著

2009年10月15日木曜日

メインテナンス

切除療法後メインテナンスの特徴

切除療法は歯周外科のなかでもっともプロービング値を小さくしてくれるのでメインテナンスでも比較的問題が出にくい。

〜理想的な切除療法後悪化するとすれば??〜
骨形態も生理的なものに改善されているのでいきなり付着の喪失が起こるとは考えにくい。シャローサルカスの悪化を考えると歯肉縁上細菌バイオフィルムの蓄積による歯肉炎からスタートするのが妥当。プロービング値があがったり、BOPがともなうようなら炎症が現在進行形だと判断し、患者さんのブラッシングがアンダーになってきているはずなので、再強化をし、徹底的なバイオフィルムの破壊を行わなければならない。

〜理想的な切除療法が出来なかった部位の悪化〜
シャローサルカスを得るために骨をどんどん削ってしまえば、結局歯の寿命を短くしてしまう。このような場合は妥協的なレベルで終わる事もある。
根分岐部病変も歯根の短い日本人では歯根を切除するメリットが少ない事も多い。逆にブラキシズムのために残した歯根が破折するという事態も起こりえる。
このような場合は部分的にポケットが残存していたり、ディープサルカスで治っている場合もある。
切除療法がどの程度のレベルで達成されているかを知り、メインテナンス中にどのような問題が起こる可能性があるかを予測し、患者さんにも説明しておく事が大切。
万が一再治療になっても移行がスムーズになり、患者さんも不安にならなくてすむ。
単なる予防線を張っているだけではなく、患者さんサイドにたったアプローチを行う。

参考文献)メンテ・ザ・ペリオ  山本 浩正 著

2009年10月14日水曜日

ADL

ADLとは??
Activities of Daily Living
日常生活動作

食事・更衣・移動・排泄・整容・入浴などの生活を営む上で不可欠な基本行動を指す。
それぞれについて自立/一部介助/全介助のいずれかであるか評価することで障害者や高齢者の生活自立度を表現する。

今日患者さんに質問されて答えられなかった事です。
全身疾患などには弱いです。
まだまだ勉強が足りません。

2009年10月13日火曜日

最近のうれしかったこと

①メインテナンスでいらっしゃった患者さんに前の歯医者に通っていたときから気になる事があるんだけど…と歯医者特有の器具について質問されました。
質問された事は何気ないことでしたが、前は聞けなかったけど、聞いてもらえるくらいになったことがすごくうれしかったです。

②最近ちょと反省する出来事がありました。
落ち込んだとき、悩んだときすごいタイミングで現れる方がいます。
仕事にたいして厳しいけれど、けして威圧的ではなくアドバイスをくれます。
とにかく笑顔を絶やすなが教えです。その方に会うと背筋がしゃきーんとします。
いつも元気に笑顔で、何事も一生懸命に取り組み、たくさんの人に慕われている、その方に少しでも近づきたいです。
たくさんお話出来る機会をもてたことがうれしかったです。

2009年10月9日金曜日

メインテナンス

治療後メインテナンス
〜切除療法後の治癒形態〜
歯肉、骨、歯根を同時に処理できる切除療法「歯肉弁根尖側移動術」(apically positioned flap APF)
フラップを開けて、根面デブライドメント後、生理的な骨形態にするために骨整形を行う。根分岐部病変などがある場合は、root separationやroot resectionを行う。
最後にフラップ断面を骨頂に位置づけ、シャローサルカスを作り出すことによりフラップ断端の上皮細胞の遊走が短く、できあがる歯肉溝は浅く、上皮性付着の幅も短くなる。

シャローサルカスを得るために失うもの。
もっとも目に見えるものが歯肉退縮。
審美的欲求の強い部位や患者さんへは十分なインフォームドコンセントが必要。


臨床でAPFを採用するのは、歯冠長を延長したいとき。
→縁下カリエス、歯の破折が多数歯に起こっているような場合、そのまま修復しようとすると補綴部のマージンが軟組織付着を侵してしますため、骨と歯肉の位置を根尖側に下げる。

無理矢理歯肉を退縮を起こさせないとちゃんと補綴を行う事が出来ないので、審美に関しては補綴物で回復するしかない。

APFは、何年か分の歯周病の進行を数分で再現してしまうある意味恐ろしい治療法とも言える。

参考文献)メンテ・ザ・ペリオ 山本浩正 著

2009年10月7日水曜日

メインテナンス

切除療法後メインテナンス

切除することによりプロービング値を小さくする歯周外科

歯肉を切除する「歯肉切除術」
骨を切除する「骨整形術」
歯根を切除する「歯根切除術」

失うものよりも得るものが大きいと判断した時に行う。
得るものとは??
シャローサルカス(切除療法はシャローサルカスを獲得する代表格)

参考文献)メンテ・ザ・ペリオ  山本浩正 著



メインテナンス

非外科療法後メインテナンスのセルフケアのポイント

シャローサルカスで治癒している場合
根面が露出している場合が多い
・アンダーブラッシング→歯肉炎、根面カリエス
・オーバーブラッシング→知覚過敏

ディープサルカスで治癒している場合
繊維性の歯肉のため、歯肉退縮は起こりにくい。ただし、歯肉が厚いので、歯肉辺縁の位置は不安定のため長期的には歯肉退縮のリスクがある。
・アンダーブラッシング→付着の喪失
・オーバーブラッシング→歯肉退縮

参考文献) メンテ・ザ・ペリオ 山本浩正 著

患者さん自身でプラークコントロールがしっかり出来ている事は理想的ですが、ここはオーバーブラッシングにここはアンダーブラッシングに注意してください。とあまり細かく指導しすぎると歯ブラシ自体がいやになってしまっては本末転倒です。
メインテナンスで維持していくことのできるところまでほどよく指導する事を心がけています。

2009年10月6日火曜日

メインテナンス

メインテナンス中の悪化

メインテナンスは良くても現状維持なので、悪化に遭遇する。
非外科療法では組織によってシャローサルカスやディープサルカスで治ったりする。
悪化の場合…
①動的治療でシャローサルカスで治った場合
プロービング値は小さく歯周病菌は住み着きにくくなっている状態なので、いきなり歯周病菌による付着の喪失や骨の喪失が起こる事は考えにくい。歯肉炎が起こる事が悪化のきっかけ。BOPとともに仮性ポケットができる。
この場合歯肉の退縮量の比較や口腔内写真で比較することができる。

②ディープサルカスで治った場合
付着の獲得で治るような場合は、歯肉が繊維性でポケットが深く、場合によっては垂直性の骨欠損を伴うような症例になるので、悪化する場合、仮性ポケットが出来る事は考えにくく、付着の喪失によって悪化するという事になる。

付着の喪失には2パターンある
①長い接合上皮が剥離する場合=上皮性付着の喪失
②上皮の剥離を通り越し、結合組織性付着が喪失
→真の付着の喪失

付着の喪失は付着レベルが増加していないかどうかを調べる
歯肉退縮量+プロービング値が前回と比べ増えていないか確認する

上皮性なのか結合組織性なのか判断するのは実際は難しい。
・非外科療法前の付着のレベルであれば上皮性
デブライドメントとセルフケアで長い接合上皮で再付着する可能性がある。

・それを越えていれば結合組織性
元に戻る可能性は低い。再治療が必要。


参考文献)メンテ・ザ・ペリオ

2009年10月5日月曜日

メインテナンス

治療後メインテナンス
〜非外科療法後メインテナンス〜

非外科治療とは??
メスで切らなければ非外科療法と解釈される。
キュレットも外科器具の1つだが、根面だけをデブライドメントしている場合は非外科療法と考える。よってSRPを主体とした治療も非外科療法。
歯周病患者さんの中で、一番多い治療法。
*外科療法は最大の効果を得ようと考えると、適応症が限られる。
適応から外れた症例に対して行うと妥協的な外科であったり、デメリットが大きかったりする。
外科と非外科の境界領域の症例であれば、まず、非外科療法で対応し、問題が出てくるようなら外科療法に移行する手段がとられる。


参考文献)メンテ・ザ・ペリオ 山本浩正 著


外科療法はあまり患者さん受けがいいものとは言えません。外科療法はやりたくないが、SRPなら…とおっしゃる患者さんもいらっしゃいます。
歯周ポケットが深くなると、難しくはなりますが、ポケットが残らないようにSRPを行いたいものです。
もちろん適応症の場合は外科療法を行うのが良いと考えています。

2009年10月2日金曜日

メインテナンス

治療後メインテナンスのリコール間隔

ランフォード率いるミシガン学派による疫学結果によると基本は3ヶ月と言われている。
3ヶ月に一度メインテナンスを行えば、動的治療の内容に関わらず悪化を防ぐ事ができたという論文がいくつか発表されている。
動的治療が理想的にできない場合もあるのでそのような場合は3ヶ月よりも短くする事が無難。

参考文献) メンテ・ザ・ペリオ 山本浩正 著

歯周基本検査時、動的治療(SRP)を始めるとき、メインテナンス期間に入る時、メインテナンスの必要性を何度もお話させていただいていますが、「前も1ヶ月、3ヶ月に1回クリーニングに行ってたよ。」という患者さんはけっこういらっしゃいます。
しかし、どうしてメンテナンスが必要で、どうしてこの期間なのか理解されいる患者さんは少ないように感じます。理由を知らなければせっかく真面目にメインテナンスにきていただいても全然意味がない事のように感じます。

それに加え、糖尿病の患者さんはA1cの数値を、高血圧の患者さんは血圧を知っているのに対し、歯周病患者さんは歯周ポケットの深さを知らない事が多いです。
検査値が術者によって変わることなどの特性があるところが難しいところではありますが、歯周ポケットの深さを知ってもらいたいと考えています。

そのためには歯周基本検査の精度をあげ、受け入れてもらいやすく説明することが課題です。


2009年10月1日木曜日

メインテナンス

治療後メインテナンス

初診時にリスクが高い患者さんに対して動的治療をしっかり行った後のメインテナンス。
どのような症例に対してどのような動的治療を行ったかによって、リスクの程度や治療のポイント、メインテナンスプログラムの内容などに違いがある。動的治療の分類によって治療後メインテナンスも分類していく。

参考文献)メンテ・ザ・ペリオ   山本浩正 著

一人の患者さんだけではなく、口腔内でどのような動的治療を行ったか部位によって変わってきます。マニュアルに沿ったメインテナンスではなく、オーダーメイドのメインテナンスが必須です。
そのためにはまず、歯周基本検査の技術向上と変化を見る目が重要だと考えています。

2009年9月30日水曜日

ペリオ

今までは、歯周病の患者さんを前にした時、歯周病治療をおこない、どうしたら改善するかは考えますが、歯周ポケットが改善すると喜ぶばかりで、どうして歯周ポケットが改善したのか??をあまり考えた事がありませんでた。

これからは外科処置も含めた歯周病治療を学んでいきたいと思います。

メインテナンス同時進行していきます。


まずは、Dr.Gerald M.Kramerの言葉から

歯科治療の3つのP

Professional
歯科医療に携わるものとして、その専門知識や技術を学ぶ事を常に怠ってはならない。

Practical
いくら専門知識や技術を理解しても、臨床で実践しなければ生きてこない。それらの知識・技術を臨床に応用してこそ真の医療になる。

Profitable
たとえ知識・技術を習得し、応用したとしても、その行為が正しく評価され、患者にとっても、術者にとっても有益な結果とならなければならない。それが達成されてはじめて、その臨床が継続されるのに値するものになる。


この3つのPを基本に機能と審美を回復し、結果治療に永久性をもたせるよう努力すること。

参考文献『コンセプトをもった予知性の高い歯周外科処置』


科学的根拠を理解し、患者さんにわかりやすく説明できるように努力していきたいと思います。


2009年9月29日火曜日

メインテナンス

①予防的メインテナンスのリコール間隔

歯周病菌もほとんどいなくて、歯周組織の環境も整っていて、リスクが少ないため、リコール間隔はもっとも長く設定できる。
半年や1年でも健康を保てる可能性は高い。

しかし、予防的メインテナンスは患者さんのセルフケアのウエイトが大部分を占めるので、セルフケアのレベルがうまく維持できているかをこまめにチェックするするために3、4ヶ月に1回が望ましい。  

②予防的メインテナンスにおける悪化

いきなり骨吸収を起こし、深い垂直性骨欠損を起こす事はない。
歯肉の炎症から始まる。この時点で対処すると健康な状態に戻る。
プロービング値が大きくなったり、出血部位に丁寧にバイオフィルム破壊を行いセルフケアの最強化をする。場合によってはリコール間隔を短くする。

歯肉退縮が進む可能性も高い。
磨き過ぎに対する弊害が起こっている事を伝え、原因を一緒に考える。
ブラシが固いものに変わっていないか、ブラッシング圧や時間は変わっていないか具体的な原因を探し、指導する。一般論だけでは心には残らない。


参考文献) メンテ・ザ・ペリオ  山本 浩正 著

2009年9月28日月曜日

ポーセレン


毎月恒例のDTさんの勉強会です。
今回はポーセレンを盛る①です。





ポーセレンを水で練り、筆で持っていきます。
技工士さんは簡単そうにやっていますが実際に作業すると難しい…
ほとんど技工士さんに直してもらいました…




焼いてます。




天然歯でいう象牙質部分まで完成させました。
来月の勉強会で完成させます。

普段する事のない、技工作業。
ものすごーく新鮮でした。

講師をしてくださった技工士さん、準備をしてくださった歯科産業さん、
松風さんに感謝です☆




2009年9月25日金曜日

プライマリーヘルスケア

プライマリーヘルスケアの定義

実践的で、科学的に有効で、社会に受容されうる手段と技術に基づいた保健活動。
国家保健システムと個人、家族、地域社会と最初に接するレベルであって、人々が労働する場所になるべく近接して保健サービスを提供する、継続的な保健活動の過程の第一段階を構成する。


〜解釈〜
多くの人に施す事が出来(医療者側視点)、根拠があり、かつ有効的で受け入れられやすい(患者さん視点)医療行為で欠かす事が出来ない。






2009年9月24日木曜日

メインテナンス

予防的メインテナンスプログラム

歯肉縁下にほとんど問題がないので
①セルフケアのチェック
②歯肉縁上のバイオフィルムの破壊
③PMTC
を中心に行う。

プラークの残っているところ、BOPを認めるところを中心にケアを行う。
→アンダーブラッシング、炎症部位のチェック

予防的メインテナンスの患者さんはケアが行き届いている場合が多い。
→ブラッシング指導をしないと落とし穴がある。
オーバーブラッシングに陥っている事が多いので、初期症状を察知する事が大切。
①歯肉退縮が進んでいるところはないか
②知覚過敏や歯肉に傷がついているところはないか
③歯ブラシはどれくらいで開いてくるか
④歯ブラシの種類は硬めに変わっていないか
⑤歯ブラシの動かし方持ち方は変わっていないか

見た目がパーフェクトでも必ずチェックするべきところがある。


プロケア
BOPが続いている部位は歯石の取り残しがないか確認する。
PMTCもオーバーにならないように注意する。


参考文献) メンテ・ザ・ペリオ  山本 浩正 著



2009年9月18日金曜日

メインテナンス

メインテナンスに来られている患者さんのカリエスリスクを低く維持するための注意点

攻撃因子を弱く、防御因子を強くする
そのためには…問診が重要
①生活のリズムが変わるような事はなかったか
②口腔清掃や飲食で変わった事はなかったか
③持病のお持ちの患者さんであれば病気の具合、投薬の種類や量を確認

最初の問診で自然な会話の流れからひろい、攻撃因子が強くなったり、防御因子が弱くなっていることが疑われている場合はそれに応じた対策を講じて行く。


フッ化物の応用
メインテナンスプログラムの最後はフッ素で締めくくる。
最もカリエスリスクの高い根面を守るために、ゲル状のフッ素をロック式のシリンジを用いて根面に塗布する。4分ほど放置し、その後出来るだけ丁寧にフッ素を拭き取り、30分くらいはうがいや飲食をしないように指示する。

参考文献)メンテ・ザ・ペリオ  山本浩正 著

2009年9月17日木曜日

メインテナンス

メインテナンスにおけるカリエスリスク

メインテナンスに移行した患者さんはう窩の処置を終え、セルフケアもある程度できるようになっているので、カリエスのリスクは低いと思われるが、落とし穴がある。

①動的治療後は多かれ少なかれ歯肉退縮が起こり、根面が露出している。
エナメル質にカリエスがないと安心していると根面カリエスに悩まされる事になる。
唾液の緩衝能でなんとかエナメル質カリエスから逃れていた場合、根面は低耐酸性なので、根面カリエスになる確率は高くなる。
②唾液の量や緩衝能の変化。
年齢とともに唾液量が減少したり、歯の動揺が強く良く噛めなくて唾液が減る事もある。
他には全身疾患(シェーグレン症候群など)、薬(降圧剤など)の影響もある。
唾液が少なくなると緩衝能も低くなる。
③生活習慣の変化
飲食内容、飲食回数、口腔清掃習慣
禁煙で缶コーヒーや飴を口にする機会が増えるなど

「ペリオで笑って、カリエスで泣く」ことにならないように歯周病のリスクを低く維持する事だけでなく、カリエスのリスクにも目を向ける事が大切!!

参考文献)メンテ・ザ・ペリオ  山本浩正 著

2009年9月16日水曜日

メインテナンス

カリエスリスクの捉え方
カリエスを作る側(攻撃因子)と守る側(防御因子)に分けて考える。

攻撃因子
・主犯格は虫歯菌(う蝕原性細菌)
虫歯菌の量が多い、歯面への付着能が強い、酸を出す力が強い。
・シュガーコントロール
飲食内容、飲食回数

防御因子→虫歯菌の出す酸から歯を守るもの
・唾液
カリエス予防で最も大切な機能は緩衝能
虫歯菌の出す酸が多くなると、唾液中の重炭酸イオンが結合されることで除去される。
刺激唾液は安静時唾液に比べ、量が6倍、唾液緩衝能が30倍と言われている。
そのため唾液の少ない人は重炭酸イオンも少なく、カリエスリスクが高くなる。
・フッ素
再石灰化を促進し、歯質を強化して、虫歯菌を抑制する


参考文献)  メンテ・ザ・ペリオ  山本浩正 著

2009年9月15日火曜日

メインテナンス

バイオフィルムの破壊〜PMTC編〜

PMTCの必要性

歯肉縁上のバイオフィルムの破壊→患者さんのセルフケアの支援となる事を念頭とする。

患者さんのテリトリーである歯肉縁上に全くのプロケアであるPMTCを行う理由
PMTCのメッセージ
・術中の快感
・術後の爽快感
・見た目の満足

歯科医院へ来るという事は患者さんにとっては勇気のいるもの。
プロービンングや超音波スケーリングは場合によっては痛みが伴う事もありけして気持ちのいいものではない。
マイナスイメージの強い歯科治療の中でPMTCは唯一プラスイメージが強い。
診査データで励まされ、PMTCで癒しプラスのイメージを持ってメインテナンスを終える事により歯科医院の敷居を低くし、メインテナンスで1番のリスクファクターである来院が途絶える事にPMTCが効果を発揮する

PMTCの生物学的な効用
・歯面を徹底的に研磨することのより細菌バイオフィルムが歯面上に再形成するのを送らせる効果がある
・浅い歯肉溝であれば歯肉縁下の細菌にも影響する事が出来る
・着色を除去することで審美性の向上
・歯面を平滑に仕上げる事は着色の再発を遅らせる


PMTCの偽害性
リスク→歯面の削り過ぎ。歯肉への負担が歯肉退縮を起こす可能性もある。

PMTCもオーバーデブライトメントになる。
仮に1回のPMTCで10μ歯を削ってしまうとして、3ヶ月に1回の割合で10年間続けると10年後には歯質が400μ、0.4㎜なくなってしまう。
特に歯周病患者さんは根面が露出しているので、根面に対して過剰なPMTCをしてしまうともっともっと削れてしまう。

PMTCのリスクも理解したうえだ、メインテナンスに取り入れる。

参考文献)メンテ・ザ・ペリオ  山本浩正 著