メインテナンスに移行した患者さんはう窩の処置を終え、セルフケアもある程度できるようになっているので、カリエスのリスクは低いと思われるが、落とし穴がある。
①動的治療後は多かれ少なかれ歯肉退縮が起こり、根面が露出している。
エナメル質にカリエスがないと安心していると根面カリエスに悩まされる事になる。
唾液の緩衝能でなんとかエナメル質カリエスから逃れていた場合、根面は低耐酸性なので、根面カリエスになる確率は高くなる。
②唾液の量や緩衝能の変化。
年齢とともに唾液量が減少したり、歯の動揺が強く良く噛めなくて唾液が減る事もある。
他には全身疾患(シェーグレン症候群など)、薬(降圧剤など)の影響もある。
唾液が少なくなると緩衝能も低くなる。
③生活習慣の変化
飲食内容、飲食回数、口腔清掃習慣
禁煙で缶コーヒーや飴を口にする機会が増えるなど
「ペリオで笑って、カリエスで泣く」ことにならないように歯周病のリスクを低く維持する事だけでなく、カリエスのリスクにも目を向ける事が大切!!
参考文献)メンテ・ザ・ペリオ 山本浩正 著