2009年9月11日金曜日

メインテナンス

超音波スケーリングと併用する薬液

①洗口剤のゴールドスタンダードと言われているクロルヘキシジン(CHX)

優れている点
抗菌力に加えてその持続性がある。1日2回ほどの洗口により長時間抗菌作用を期待できると言われている。
秘密は、CHXがプラスの電気を帯びていること。細菌バイオフィルムを破壊して最初に歯面に形成されるペリクルはマイナスの電気を帯びているので、それらの結合したCHXは洗口後、徐々に放出される事で持続的に抗菌作用を発揮できる。
また、細菌は表面がマイナスの電気を帯びているので、これにプラスのCHXが結合する事により殺菌作用がもたらされる。

CHXのバイオフィルムに対する効果
歯周病菌が細菌バイオフィルムを形成しているとき、これを5分以内に破壊しようとすると現在日本で入手可能な洗口剤に含まれるCHXの40倍という高濃度が必要になる。
細菌バイオフィルムに対しては抗菌剤と同様効果が低い。
CHXによ洗口が効果が出るのは、唾液中で一人暮らしをしている細菌の殺菌効果や、ブラッシングできれいになった歯面上へのバイオフィルムの復活阻止。

CHXの落とし穴
歯肉滲出液や唾液中で一人暮らししている細菌をやっつける効果は高い。
根面に形成されている細菌バイオフィルムに対しては超音波チップで除去するので問題がないように見えるが、CHXはタンパク質(とくに血清由来)による不活化がある。
そのため外傷を起こして出血した部位をきれいにする目的でCHXを使う事はない。

口腔内でタンパク質の多いところ=歯周ポケット内(炎症の強いポケットになるほどタンパク質が多い)


洗口剤では効果の示すCHXもポケット内ではうまく効果を発揮できない。

参考文献)メンテ・ザ・ペリオ 山本浩正 著