2009年10月9日金曜日

メインテナンス

治療後メインテナンス
〜切除療法後の治癒形態〜
歯肉、骨、歯根を同時に処理できる切除療法「歯肉弁根尖側移動術」(apically positioned flap APF)
フラップを開けて、根面デブライドメント後、生理的な骨形態にするために骨整形を行う。根分岐部病変などがある場合は、root separationやroot resectionを行う。
最後にフラップ断面を骨頂に位置づけ、シャローサルカスを作り出すことによりフラップ断端の上皮細胞の遊走が短く、できあがる歯肉溝は浅く、上皮性付着の幅も短くなる。

シャローサルカスを得るために失うもの。
もっとも目に見えるものが歯肉退縮。
審美的欲求の強い部位や患者さんへは十分なインフォームドコンセントが必要。


臨床でAPFを採用するのは、歯冠長を延長したいとき。
→縁下カリエス、歯の破折が多数歯に起こっているような場合、そのまま修復しようとすると補綴部のマージンが軟組織付着を侵してしますため、骨と歯肉の位置を根尖側に下げる。

無理矢理歯肉を退縮を起こさせないとちゃんと補綴を行う事が出来ないので、審美に関しては補綴物で回復するしかない。

APFは、何年か分の歯周病の進行を数分で再現してしまうある意味恐ろしい治療法とも言える。

参考文献)メンテ・ザ・ペリオ 山本浩正 著