2009年10月28日水曜日

メインテナンス

再生療法後メインテナンス

再生療法(regenerative therapy)とは??
失った器官(セメント質、歯根膜、歯槽骨)を再生させようとする治療法。
間葉系組織の再生は再生療法、上皮系組織の再生は歯周形成外科。
なぜ区別するのか??
再生療法では上皮は邪魔な存在。ポケットが深くなるときにはまず骨や結合組織が破壊され、そこに陥没するような形で上皮が落ち込んでくる。フラップ後も上皮細胞はいち早くバイオフィルムと体の中にバリケードをはるために1日0.5㎜という猛スピードで遊走する。歯周組織の中でもっとも足が速いので感染を最小限にする事が出来るが、裏目に出る事もある。
付着器官を再生させるのに必要な細胞は主に歯根膜から供給される。歯根膜細胞が欠損部に到達する前に上皮細胞が到達してしまうために、再生のための場に先にバリケードが作られてしまう。そのためフラップオペでは付着の再生が限られてしまう。

再生療法の種類
①GTR法(guided tissue regeneration、組織再生誘導法)
バリケードを防ぐためのバリケード。
物質は通すが細胞は通さないような膜を骨とフラップの間に挟み込み、フラップ断端から走ってきた上皮細胞が根面に来ないように膜でブロックしてしまう。
その間に膜の下では歯根膜細胞がゆっくりと集まってきて、付着器官を再生させる。

②EGR法(enamel matrix derivative エナメル基質誘導体 guided regeneration)
付着器官の発生を再生に応用する方法。
商品名「エムドゲイン」
セメント質の発生の時に必要な物質が含まれており、歯周病で失った無細胞性外部繊維性セメント質を誘導しようとするもの。上皮細胞をうまく押さえつける作用ある。


参考文献) メンテ・ザ・ペリオ 山本浩正著