切除療法は歯周外科のなかでもっともプロービング値を小さくしてくれるのでメインテナンスでも比較的問題が出にくい。
〜理想的な切除療法後悪化するとすれば??〜
骨形態も生理的なものに改善されているのでいきなり付着の喪失が起こるとは考えにくい。シャローサルカスの悪化を考えると歯肉縁上細菌バイオフィルムの蓄積による歯肉炎からスタートするのが妥当。プロービング値があがったり、BOPがともなうようなら炎症が現在進行形だと判断し、患者さんのブラッシングがアンダーになってきているはずなので、再強化をし、徹底的なバイオフィルムの破壊を行わなければならない。
〜理想的な切除療法が出来なかった部位の悪化〜
シャローサルカスを得るために骨をどんどん削ってしまえば、結局歯の寿命を短くしてしまう。このような場合は妥協的なレベルで終わる事もある。
根分岐部病変も歯根の短い日本人では歯根を切除するメリットが少ない事も多い。逆にブラキシズムのために残した歯根が破折するという事態も起こりえる。
このような場合は部分的にポケットが残存していたり、ディープサルカスで治っている場合もある。
切除療法がどの程度のレベルで達成されているかを知り、メインテナンス中にどのような問題が起こる可能性があるかを予測し、患者さんにも説明しておく事が大切。
万が一再治療になっても移行がスムーズになり、患者さんも不安にならなくてすむ。
単なる予防線を張っているだけではなく、患者さんサイドにたったアプローチを行う。
参考文献)メンテ・ザ・ペリオ 山本 浩正 著