①上皮性付着の剥離
再度デブライドメントを行い、患者さんのセルフケアを行う事で再付着する可能性がある。
メインテナンスの間隔を一時的に短くして回復を観察する手法もある。
②結合性付着の喪失
骨吸収をともなう。繊維性の歯肉に囲まれた深いポケットに対して根面デブライドメントだけで対処した場合、細菌や歯石の取り残しが原因で急に悪化することがある。深い部分で取り残しがあり、それよりも歯冠側で上皮性付着が起こると、術直後は付着レベルの改善が認められるが、取り残しがその患者さんの許容量を越えていれば、後になって爆発する。
一般にプラークコントロールの良い患者さんであればポケットの再発、プラークコントロールの良好な患者さんであれば歯肉膿瘍の形成が起こりやすい。
疑われるような悪化があれば、浸潤麻酔下で再度根面デブライドメントをしっかり行うかフラップを開ける事が望ましい。
☆どちらの喪失パターンが起こっているのかを正しく判断することが大切。
・エラーの少ないプロービングデータを記録する。
・データの正しい解釈する事が必要。そのためには付着の位置がどのように変化しているのかを確かめる。付着レベルの数値が上がっていれば付着の喪失があったと判断する。そのとき初診時の付着のレベルの範囲で数値が大きくなっていいないようだと上皮性の付着の喪失を疑う。大きなっていると結合性組織性付着が喪失していると判断する。さらに出血傾向、歯の動揺、エックス線写真上の骨吸収や歯槽硬線の消失などが確認できれば最治療の対象となる。
参考文献)メンテ・ザ・ペリオ 山本浩正 著