2009年6月26日金曜日

小児歯科

Q&Aシリーズ

Q 夜泣きの時、母乳を与えています。歯にどんな影響がありますか??

母乳は栄養が優れているだけでなく、母子の心の絆を深める大切な役割を持っています。
しかし、歯が生えた口腔内では乳首から吸われた母乳は上唇と上の前歯の隙間にたまってしまい、寝ている間は唾液の分泌が少なくなってしまうので母乳がたまりやすくなってしまいます。

1歳を過ぎるとショ糖を含む飲食物を摂取するとミュータンス菌が歯の表面に付着しやすくなります。
母乳に含まれる乳糖が長時間上の前歯にたまるとプラークの中の菌により酸が産生されると虫歯の発生につながります。


コップで飲む場合は歯の表面に長時間たまる事もなく、唾液の自浄作用や緩衝作用を受けやすいですが、哺乳瓶で飲むと歯面に接している時間が長くなります。さらに就寝前に飲むと唾液の自浄、緩衝作用が受けにくくなります。
就寝前の糖分を含む飲み物の哺乳瓶飲みはできるだけ避けたいものです。


*緩衝作用とは??
食べ物などを食べて酸性に傾いた口腔内を中性に戻す作用の事です。
通常口腔内のpHは6.8〜7.0ですpH5.4以下になると歯の表面が溶け出します。ジュース類やイオン飲料はだいたいpH2.5〜4.5です。