2009年6月24日水曜日

小児歯科

Q&Aシリーズ

Q 1 おしゃぶり、指しゃぶりはお口にどんな影響がありますか??

おしゃぶり、指しゃぶりについてはいろいろな考え方があり、育児書によって違ったり、また海外と日本では考え方が異なります。
なのでここでお話しする内容は当院での考え方と捉えていただければ幸いです。

当院の基本的考え方は、「口を使って、なめったりしゃぶったりすることは本能的な行動で、生理的な欲求には必ず意味がある」です。
私たちは、おしゃぶり指シャブリは、舌をはじめとした、飲むことに関わるお口周りの筋肉を発達させるための重要な運動と考えています。

しかし、適切な時期に行うと良い影響がありますが、3歳を過ぎてもやめられない場合は悪影響を及ぼしますから十分注意が必要です。

〜悪い影響〜

3歳を過ぎても、指しゃぶりおしゃぶりがやめられない場合、歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼします。
例えば親指1本を吸っている
と、上あごがV字型アーチなってしまったり、上あごが前に出過ぎてしまうおそれがあります。また、人差し指と中指の2本を吸っている場合は、前歯が噛み合わなくなってしまう事があります。

2歳ぐらいから、一年かけて指しゃぶり、おしゃぶりをやめさせるスタイルが最も適切と考えています












上の写真は、5歳で指シャブリがやめられない子です。前歯が徐々に出始めてきています。


〜良い影響〜

鼻呼吸が促されます。また、舌の筋肉が鍛えられ、飲み込む力がついたり(最近お水がないと食べ物を飲み込めない子供が増えています!!)歯を適正な位置に生えてきます。


0歳代は自然な行動とみなし、2歳代に頻度を減らし、3歳までにやめる事が理想です。
指しゃぶりは子供にとって指はいつも近くにあるため、やめさせるのはなかなか大変です。
おしゃぶりは指しゃぶりよりもやめさせ安いと思われます。当院では、顎や口腔内の筋肉の成長発育を促すために、適正な時期のおしゃぶりをおすすめしています。


3歳を過ぎても指しゃぶり、おしゃぶりがやめられない場合、癖として日常生活への定着がみられます。口の癖への依存が強くならないよう、子供の取り巻く環境を調整しながら、癖の影響をわかりやすく説明し、やめようとする自覚を育てていく事が大切です。




写真は、2歳までおしゃぶりをし、3歳になる前にやめた子です。舌の発達が良く、その影響で乳歯の歯と歯の間に十分なスペースができています。

前歯が出る兆候もありません。