3、円滑作用:食品を噛んで飲み込む、発音するなどの機能をスムーズに行うために働く 4、溶媒作用:味は食品の味質が唾液に溶けてはじめて味覚としてとらえられる
5、洗浄作用:口腔内や歯面を洗い流して、食物残渣(食べカス)が残るのを防ぐ
6、抗菌および殺菌作用:細菌が繁殖するのを防ぐ
7、緩衝作用:お口の中に酸が入ると、それを中和するように働く
8、抗脱灰作用:歯の脱灰作用を防ぐと共に、再石灰化に関与してむし歯を防止する
9、排泄作用:体内に投与された薬物や化学物質が唾液中に排泄される
2009、11、22、23 講師 土屋和子先生
『歯周、補綴のメインテナンス』 佐藤直志 著
☆ 分厚い本を読むポイント☆
目次をみて興味のあるところを読む。
あとは、ぱらぱらめくる
歯周治療の効果をより長期的に予知性の高いものにするために、これまでの臨床研究に裏付けされて、長年にわたって治療効果の有効性が証明されている方法を用いる必要がある。
=スケーリング!!
OT(Optimum Treatment)
最適、最前の治療
最新の治療ではなく、その人にとって最もふさわしい治療
MI(Minimum Intervention)
最小限の侵襲により最大の効果
〜これからの歯科衛生士〜
クリニカルハイジニスト=臨床に徹する
応用力を身につける。学んだ事をどう生かすか?
* 必要な知識
① コミュニケーション能力
・言わなくてもわかっている、治療跡からの予測、オルソを読む
・ P処になってからではなく初対面からこの人の話を聞いてみたなと思 わせる準備を!
・ 他の人が言わない事を言う!
② 歯科専門的知識&技術
・ 健康な状態の映像をいつもイメージする!
・ 見えない部分を意識する
③ 全身的知識(からだ、こころ、病気=背景)
デブライドメント(デブリードマン・仏語)
イリゲーション、ルートプレーニング、ディプラーキング
・壊死した組織を除去する事によって創傷治癒を高める。
・歯根膜表面の性状や付着物質を十分に理解し、組織の損傷を最小限にとどめ強力で過剰なストロークを繰り返すのではなく、歯根表面のプラークを量的、質的に減少させる事。
① 縁下を触る場合麻酔をするかしないか?
麻酔をすると歯肉が一時的に貧血状態=歯肉の治りが悪くなる。出来るだけしない方が良い。
☆ ポイント☆
処置を行う前に、何分やりますと予告しておく。
② ルートプレーニングの定義
根面を平滑化にすること ×
根面をスムーズにする ○
汚染されたセメント質だけを除去する。
歯根膜(=結合組織)の役割
・ クッション
・ 歯の保持
セメント質のセメント芽細胞が結合組織を作り出す。
セメント質は歯牙のなかで最もやわらかい。髪の毛1本分くらいの厚さしかない。ハンドスケーラーでむりに行うと簡単に壊れてしまう。80%はパワースケーラーで!薬液を使うよりもキャビテーション効果がバイオフィルムに効果的
象牙質が露出すると象牙細管が露出→細菌入りカリエスになる
『超音波スケーラー』
〜バリオス750〜
・ピエゾタイプ(直線、前後運動)
・パワーコントロールが細かい
・歯牙が当たった時の響きが繊細
☆ ポイント☆
・チップの選択
G1→縁上歯石、ステイン(断面四角)
G6→縁下歯石(四角)
P2D、P3D→縁下歯石(丸、ダイアモンド加工は除去率高い)
P40→ポケット内洗浄
V10→インプラント、補綴
* 断面四角→除去効果高い
断面丸→歯面の安全性高い
・チップの歯面への当て方
部分→先端が最も強い
角度→15度以下
・歯面への接触→フェザータッチ
・歯面へのアクセス→ストローク(Sweeping stroke,Pull stroke)
『ソニックブラシ』
口腔内環境良い人はソニックブラシのみで十分。→MI
『PMTC』
セルフケアで届かないところをクリーニングする事が目的
ヘッドが小さいものが良い。
タスカルウィズ(コードレスモーター)
☆ポイント☆
・歯面の観察、判断
・器材の選択(ラバーカップ、コーン、エバ)
・回転数(基本1500回転)
・圧の加え方(回転して当て続けない)
『プロービング』
付着をはがし、縁上プラークを押し込んでしまう。
必要最低限で!3ミリ以下は計らなくてよい。
試行的メインテナンス患者さんの口腔内
動的治療はアンダートリートメントしか受けていない。SRPで細菌叢の改善は起こっているが、歯周病菌の残存が多いため、ハイリスク部位などに潜み、次のチャンスを狙っている。
最大限の努力をして悪化を防がなければならない。動的治療は次善の策で終わっているのでもし万が一悪化すれば、タイミングをみて次の策に移る可能性がある事を伝えておく。
試行的メインテナンスの患者さんの口腔内は千差万別で、何らかのリスクの残存がある。メインテナンスにおける最大のリスクは来院の中断。それを食い止めながら問題が起こった時にスムーズに再治療に移れる関係を築いておく事が大切。
参考文献)メンテ・ザ・ペリオ 山本浩正 著
試行的メインテナンス
試行的とは??
動的治療で思ったようなレベルまで、環境改善できなかった場合のメインテナンス。
例えば外科治療を受け入れてもらえない場合、無理矢理外科治療をするわけにはいかない。外科治療を行えば、メインテナンスフリーというわけではない。外科治療をするしないにかかわらず、メインテナンスが重要。外科治療を行わずに、メインテナンスを行うという選択肢も必要。
試行的メインテナンスの患者さんは口腔内環境に不安が残っている。妥協的メインテナンスはあきらめムードが漂っているが、試行的メインテナンスは治療後メインテナンスと妥協メインテナンスの間を埋めるものと考える。
参考文献)メンテ・ザ・ペリオ 山本浩正 著
治療後メインテナンス
〜歯周形成外科療法後メインテナンス〜
歯周形成外科療法とは??
審美的な補綴処置が出来ない時に登場する。形態不良に対する外科的治療と考えても良い。
形態不良によりプラークコントロールに問題が出るような場合に使われる外科療法は、切除療法に含まれる場合もある。
形態不良のなかで最も患者さんが気にされるもの
歯肉退縮(gingival recession)
① 炎症性歯肉退縮(inflammatory gingival recession)
歯周病の進行に伴って起こる
ミラーの分類クラス3、4
② 非炎症性歯肉退縮(non –imflammatory recession)
骨の裂開にオーバーブラッシングが重なっておこる
ミラーの分類クラス1、2
歯周形成外科での対応は非炎症性歯肉退縮。
炎症性歯肉退縮の場合は通常歯周病の治療を優先させる。歯周形成外科を行ってもうまくいかない。
歯周形成外科の代表格「根面被覆術」
歯肉退縮を起こして露出した根面に歯肉を取り戻す。
術式として多様されているのが「結合組織移植術」(connective tissue graft,CTG)
フラップの下に口蓋から採取した結合組織移植片を入れる事で、移植片を骨膜とフラップでサンドイッチする方法。サンドイッチする事で移植片が壊死しにくく、高い成功率につながっている。根面被覆だけでなく、歯肉の厚みを増やしたり、抜歯後に凹んだ歯槽堤を膨らませる事にも利用される。
参考文献)メンテ・ザ・ペリオ 山本浩正 著