日本の喫煙者数 約3000万人(男性46% 女性14%)
毎年11万4千人が喫煙によって死亡し、喫煙による医療費などの総損失額は約5兆6千億にのぼり、タバコによる税収を含めた総収益はその半分に過ぎない。
喫煙は癌、心疾患、脳血管疾患などの生活習慣病だけでなく、歯周病や慢性閉塞性肺疾患のどのさまざまな疾患のリスクファクターとなる。
タバコの煙には約40種類の発癌性物質と約200種類の有害物質が含まれており、その中でもニコチン、一酸化炭素、タールは3大有害物質と言われている。
①ニコチン
タバコ1本あたり0.1〜2.0mg含まれている。
神経系に作用する事で、循環器系に対しては末梢血管の収縮や心収縮力の増加などの急性作用を示し、血圧上昇を示す。免疫系に対しては、好中球の貪食能や走化能、マクロファージの高原提示能を抑制する。体内に吸収されたニコチンは、肝臓でコチニンに代謝される。
②一酸化炭素
一酸化炭素が存在すると、酸素はヘモグロビンと結合できなくなるため、結果的に全身的な酸素欠乏を引き起こす。
③タール
一般的にヤニと呼ばれるもの。タバコの煙からニコチンと水蒸気を除去した後に残る粒子相の総称である。発癌性物質や有害物質が多く含まれているので、口腔局所に対しては直接的な刺激または組織破壊に関係している。
ニコチン依存症(ND:Nicotine Dependence)
身体的依存(ニコチン依存)
ニコチンが大脳の快楽中枢に作用
・少量→興奮作用(目が覚める)
・大量→鎮静作用(気持ちが落ち着く)
ニコチンが消失すると
・喫煙欲求が止まらない
・集中力の低下
・イライラ、怒り
・体がだるい、眠い
心理的依存(習慣)
喫煙が生活の一部になっている
・目覚めの一服
・食後の一服
・暇をもてあます
・仕事の区切り
・口さみしさ
・間がもたない